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Power Automate Desktop × ChatGPTで自然文を自動処理!事務作業の次世代フローを構築する方法

Power Automate Desktop × ChatGPTで自然文を自動処理!事務作業の次世代フローを構築する方法【簡単な命令で即座に処理実行】

「〇〇さんにメールを送っておいて」「××さんへ請求書を5万円で送っておいて」

こうした自然な日本語の指示だけで、AIが内容を理解し、自動で処理してくれたら、日々の事務作業がどれほど楽になるでしょうか。

本記事では、OpenAIのChatGPT APIとPower Automate Desktop(以下PAD)を連携させて、人間が入力した自然文から処理内容を解析・分岐し、実行する自動化フローを構築する方法をご紹介します。

実際の処理の流れ

①Power Automate Desktopを実行し、指示をダイアログで入力

Power Automate Desktop × ChatGPTで自然文を自動処理!事務作業の次世代フローを構築する方法【簡単な命令で即座に処理実行】

②ChatGPTから返答を受け取る

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③返答の内容に応じた処理を実行(この場合は発注書の作成)

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④pdf化しメール送信(内容チェックのため下書きに保存)

Power Automate Desktop × ChatGPTで自然文を自動処理!事務作業の次世代フローを構築する方法【簡単な命令で即座に処理実行】


Power Automate Desktopを使った処理の作成方法

ステップ①:OpenAIのAPIキーを取得し、PADに設定

まず最初に、ChatGPT APIを利用するためにOpenAIからAPIキーを取得します。

keiridx.net


ステップ②:メール送信先の変数を設定

処理対象となる相手のメールアドレスは、あらかじめExcelシートなどにまとめておき、ループを使って繰り返し取得する構成が良いと思いますが、今回は面倒だったので変数設定しました。

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ステップ③:ChatGPTに送るプロンプトを設計

自然文から正しく「誰に」「何を」「どう処理するか」を抽出するために、プロンプト設定をしておきます。

あなたは業務自動化のアシスタントです。以下のユーザー指示が何を意味するかを解析し、「いつ」「誰に」「何をするか」「何を使って」などを整理して、必要なフォーマット形式で返してください。該当項目が見つけられない場合は「なし」と記載します。【入力例】田中さんに見積書を50万でメール送信【出力例】action:メール送信/price:500,000円/type:見積書/to:田中

このように整形された出力をPADが受け取ることで、次の処理が明確になります。


ステップ④:自然文の指示を入力ダイアログで取得

ユーザーがPAD上の入力ダイアログで、次のように自然文で指示を入力します。

例:「佐藤さんへ請求書を100,000円でメール送信」

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これをChatGPT APIに送信し、解析結果を取得します。

▼ChatGPTへ読込

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要求本文(json

{
  "model": "gpt-4o-mini",
  "messages": [
    {
      "role": "system",
      "content": "%prompt%"
    },
    {
      "role": "user",
      "content": "%prompt%\n\n==== ユーザー指示ここから ====\n%UserInput%\n====ユーザー指示ここまで===="
    }
  ],
  "max_tokens": 200,
  "temperature": 0.5
}


ステップ⑤:ChatGPTの応答を受け取り、テキストを分解

ChatGPTからの出力例は次のようになります。

action:メール送信 / price:100,000円 / type:請求書 / to:佐藤

PAD上でこれを「テキストをトリミング」や「正規表現を使用して分割」することで、それぞれの値を変数に格納していきます。

  • action → 実行する処理(メール送信など)

  • price → 金額

  • type → 書類の種類(見積書/請求書/発注書など)

  • to → 書類の宛先(氏名)

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ステップ⑥:条件分岐で処理を選択し、PDF化

取得したtypeに応じて、PADで処理を分岐します。

たとえば、type=見積書の場合:

  1. Excelの見積書テンプレートを開く

  2. 宛先欄にtoの値を入力

  3. 金額欄にpriceを入力

  4. キー送信またはPDFプリンターでPDF化

  5. 指定フォルダに保存

同様に、請求書や発注書もテンプレートを変えて処理できます。

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ステップ⑦:Outlookからメールを自動送信

最後に、toの値に応じたメールアドレスを取得し、Outlookを使って自動でメール送信を行います。宛先によってアドレスを取得するように条件分岐を組むことで、汎用性の高い処理が可能です。

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▼全体フロー

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おわりに

このように、ChatGPT APIとPower Automate Desktopを組み合わせることで、「自然文による業務指示 → 自動解析 → 処理実行」という一連の自動化フローを実現できます。
非エンジニアでも扱いやすく、日々の事務処理の大幅な効率化につながる可能性を秘めています。

特にメール処理や書類作成といったルーティン業務で効果を発揮しますので、業務改善の一環としてぜひ導入を検討してみてください。

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